「英検3級を受けさせたいけど、どんな試験なの?」「子どもにどう勉強させたらいいの?」と悩んでいる保護者の方は多いのではないでしょうか。英検3級は中学校卒業レベルの英語力を測る試験であり、これからの英語学習の重要な節目となります。
この記事では、英検3級の難易度や合格点、必要な単語数や文法、そして効果的な勉強法や対策について詳しく解説します。お子様の英検3級合格に向けて、ぜひ参考にしてください。
英検3級の基本情報

英検3級とは何か|中学卒業レベルの英語力を証明する試験
英検(実用英語技能検定)は、公益財団法人日本英語検定協会が主催し、文部科学省が後援している日本で最も歴史のある英語検定試験です。年間の総志願者数は420万人を超え、多くの学校や企業で英語力の証明として広く認められています。
英検3級は、「中学卒業程度」の英語力を測る試験で、「身近な英語を理解し、使用できるレベル」と定義されています。受験資格に制限はなく、誰でも受験できますが、多くは中学生や高校生が受験します。特に高校入試で英検の級による加点がある地域では、中学3年生の受験者が多い傾向にあります。
試験日程は年3回(第1回:6月、第2回:10月、第3回:1月)で、一次試験の後に二次試験が実施されます。試験は全国各地で行われるため、お近くの会場で受験可能です。
英検3級の試験内容|一次試験と二次試験の構成
英検3級は一次試験と二次試験の2段階で実施されます。
一次試験では、筆記(リーディング・ライティング)とリスニングが行われます。筆記試験は65分、リスニングテストは約25分の計90分程度の試験です。内容は、単語・熟語・文法の知識、対話文の応答、長文読解、英作文、そしてリスニングの問題で構成されています。
特に注目すべきは、2024年度からライティング問題が一部リニューアルされたことです。従来の意見陳述問題(25~35語で自分の意見を書く)に加え、Eメール返信問題(15~25語で返信を書く)が新たに加わりました。これにより、より実用的な英語力が問われるようになっています。
二次試験は、一次試験合格者のみが受験できる面接形式のスピーキングテストです。日本人またはネイティブスピーカーの面接官と1対1で約5分間の英語でのやり取りが行われます。
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英検3級の難易度と準2級との違い
英検3級の難易度|中学卒業程度の英語力が求められる
英検3級の難易度は「中学卒業レベル」とされています。英語の国際的な指標であるCEFRでは、A1~A2レベル(基礎段階の言語使用者)に相当します。TOEICに換算すると、おおよそ400点前後のレベルと言われています。
英検4級から3級へのステップアップでは、大きな変化があります。4級までは筆記とリスニングのみでしたが、3級では新たにライティング(英作文)と二次試験でのスピーキング(面接)が加わります。つまり、英語の4技能(読む・聞く・書く・話す)すべてが測定されるようになるのです。
これは、単に英語の知識を問うのではなく、実際にコミュニケーションができるかどうかを測る試験へと変わることを意味します。そのため、単語や文法を覚えるだけでなく、それらを活用して自分の考えを表現する力も必要となります。
英検3級と準2級の違い|単語数と問題形式の違い
英検3級と準2級の間には大きな隔たりがあります。両者を比較すると、その違いが明確になります。
まず、必要な単語数が大きく異なります。英検3級では約2,100語の語彙力が必要とされるのに対し、準2級では約3,600語と、約1,500語も増加します。これは単に数が増えるだけでなく、より抽象的な概念や専門的な分野の単語が増えることを意味します。
問題形式にも違いがあります。準2級では、3級にはない「長文の穴埋め問題」が加わり、より深い文章理解力が求められます。また、リーディングの問題数は3級の31問から準2級では38問に増え、制限時間も3級の65分から準2級では80分と長くなります。
ライティングについても、3級では身近な話題について25~35語程度で自分の意見を書くのに対し、準2級では80~100語と文字数が倍以上になり、より論理的な構成や複雑な表現が求められます。
これらの違いから、英検3級と準2級の間には約18%の合格率の差があり、多くの学習者にとって大きな壁となっています。
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英検3級の合格点と合格率

※ 英検4級・5級に二次試験はありません。
※ 英検4級・5級はスピーキングテストのスコアを表記しています。
※ 英検4級・5級のスピーキングテストは任意で合否には関係しません。
英検3級の合格点|CSEスコアで判断される合格基準
英検3級の合格判定は、英検CSE(Common Scale for English)スコアという独自の評価システムで行われます。このスコアは、受験者全体の答案を採点した後に統計的手法で算出されるため、同じ正答数でも試験回によってスコアが異なる場合があります。
英検3級の一次試験合格基準点はCSEスコア1,103点です。リーディング、リスニング、ライティングの各技能がそれぞれ550点満点で、合計1,650点中1,103点以上(約67%)が合格ラインとなります。
二次試験(面接)の合格基準点はCSEスコア353点で、満点550点中の約65%が合格ラインです。面接では、応答内容、発音、語彙、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度などが総合的に評価されます。
英検3級の合格率|約50%の挑戦者が合格
英検3級の合格率は、2016年以降は公式には発表されていませんが、それ以前のデータを参考にすると、一次試験の合格率は約50~55%程度と考えられています。つまり、受験者の約半数が合格している計算です。
二次試験(面接)については、さらに高い合格率(約90%以上)が報告されています。これは、一次試験をクリアした人は基本的な英語力があり、面接でもある程度のコミュニケーション能力を示せる傾向があるためです。
この合格率を踏まえると、英検3級は適切な準備と対策をすれば十分合格可能な試験と言えます。しかし、約半数の受験者が不合格になる現実も忘れてはならず、計画的な学習が重要です。
英検3級合格に必要な単語数と文法

英検3級に必要な単語数|約2,100語の語彙力が必要
英検3級では、約2,100~2,500語の語彙力が必要とされています。これは、小学校で学ぶ約600~700語と、中学校で学ぶ約1,600~1,800語を合わせた数になります。
英検3級でよく出る単語は、日常生活に関連する基本的な単語や、学校生活、趣味、旅行などの身近な場面で使われる単語が中心です。名詞、動詞、形容詞が中心で、特に動詞と名詞の組み合わせによる熟語も重要です。
単語を効率的に覚えるコツは、単に暗記するのではなく、「音」と「イメージ」を使うことです。発音を声に出して練習し、その単語が使われる具体的な場面をイメージしながら覚えると記憶に定着しやすくなります。また、単語カードや単語帳を活用して、繰り返し復習することも大切です。
英検3級で求められる文法知識|中学英語の総仕上げ
英検3級で必要な文法知識は、中学3年間で学ぶ文法事項全般です。特に重要なのは以下の項目です。
- 基本時制(現在形・過去形・未来形・現在進行形・現在完了形)
- 助動詞(can, must, should, will など)
- 比較表現(比較級・最上級)
- 受動態
- 不定詞・動名詞
- 関係代名詞(who, which, that)
- 接続詞(when, if, because など)
特に頻出なのは、時制の使い分けと不定詞・動名詞の使い方です。「I want to go to the park.」(不定詞)と「I enjoy playing soccer.」(動名詞)のような使い分けをしっかり理解しておく必要があります。
文法を効果的に学ぶには、単に暗記するのではなく、実際の文章の中でどのように使われているかを確認し、自分で例文を作る練習をすることが大切です。過去問や問題集で出題傾向を把握し、弱点を集中的に対策することも効果的です。

英検3級の勉強法・対策
英検3級のリーディング対策|長文読解のコツ
英検3級のリーディングでは、短文の語句空所補充問題と長文読解問題が出題されます。特に長文読解が苦手という学習者は多いです。
長文読解のコツは、まず質問を先に読んでから本文を読むことです。何を問われているかを事前に把握することで、本文を読む際に重要なポイントに注目できます。
また、全ての単語の意味を調べるのではなく、文脈から推測する力を養うことも大切です。未知の単語があっても、前後の文から意味を推測する練習をしましょう。時間配分も重要で、特に長文は通読する時間と解答する時間をバランスよく配分することがポイントです。
おすすめの教材としては、英検公式の「過去6回全問題集」や「でる順パス単」などがあります。過去問を解くことで出題傾向を把握し、効率的に対策できます。
英検3級のライティング対策|短い英作文のポイント
英検3級のライティングでは、2024年度から従来の意見陳述問題に加え、Eメール返信問題が追加されました。意見陳述問題では25~35語で自分の意見と理由を書き、Eメール返信問題では15~25語で質問に答える形式です。
英作文のポイントは、シンプルな構成を心がけることです。意見陳述問題では、「I think that〜(私は〜と思います)」で始め、「I have two reasons.(理由は2つあります)」と続け、「First,〜(1つ目は〜)」「Second,〜(2つ目は〜)」と理由を述べる形式が基本です。
また、普段から簡単な英作文を書く習慣をつけることも大切です。日記を英語で書いたり、身近な話題について自分の意見を英語で表現する練習をしましょう。英作文を書いた後は、できれば英語教師や英語が得意な人にチェックしてもらうと、より効果的です。
英検3級のリスニング対策|聞き取りのコツ
英検3級のリスニングは、短い会話や説明文を聞いて質問に答える形式です。3級では一部の問題が放送回数1回のみとなるため、集中して聞き取る力が必要です。
リスニング力を高めるコツは、毎日英語を聞く習慣をつけることです。英検公式のリスニング問題や英語のニュース、歌、映画など、様々な素材を活用しましょう。また、シャドーイング(音声を聞きながら、少し遅れて同じように発音する練習)も効果的です。
リスニング問題を解く際は、問題文をあらかじめ読んでおくことで、何を聞き取るべきかを把握できます。数字、時間、場所などの重要な情報に注目して聞くことも大切です。
日常的な対策としては、英語の歌を聴いたり、英語のアニメや映画を字幕付きで見たりすることもおすすめです。楽しみながら英語に触れることで、自然とリスニング力が向上します。
英検3級の面接(二次試験)対策
英検3級の面接試験の流れ|約5分間の試験内容
英検3級の面接試験は約5分間で、面接官と1対1で英語でのやり取りを行います。試験の流れは以下の通りです。
① 面接室に入室し、面接カードを渡して着席
② 面接官が名前と受験級を確認し、簡単な挨拶
③ 問題カード(パッセージとイラスト)が手渡され、20秒間の黙読時間
④ 英文の音読
⑤ 5つの質問に答える
No.1・2 パッセージの内容に関する質問
No.3 イラストの状況説明
No.4・5 日常生活に関する質問(Yes/Noで答えた後、理由を説明)
⑥ 問題カードを返却して退室
面接試験では、応答内容だけでなく、発音、語彙、文法、積極的にコミュニケーションを図ろうとする姿勢(アティチュード)なども評価されます。
英検3級の面接対策と勉強法|スピーキング力を高める
英検3級の面接では、以下のような質問がよく出されます。
- What time do you usually get up?(普段何時に起きますか?)
- What do you like to do on weekends?(週末は何をするのが好きですか?)
- Do you like to play sports?(スポーツをするのは好きですか?)
- What is your favorite subject?(好きな科目は何ですか?)
- How do you go to school?(どうやって学校に行きますか?)
面接での受け答えのコツは、まず質問をしっかり理解し、簡潔に答えることです。Yes/Noで答える質問の場合、単にYesやNoだけでなく、理由も付け加えるとより良い印象を与えられます。例えば、「Do you like dogs?」という質問に対しては、「Yes, I do. Because they are very friendly.」のように答えます。
また、日常的なスピーキング練習として、家族や友人と簡単な英会話をしたり、鏡の前で自己紹介の練習をしたりすることも効果的です。英語で自分の意見や気持ちを表現する機会を増やすことで、自然と話す力が身につきます。
面接対策には、英検の公式問題集や二次試験対策の専門書を活用するのがおすすめです。また、オンライン英会話などを利用して、実際に英語でコミュニケーションを取る経験を積むことも大切です。
自宅でできる効果的な学習サポート方法
家庭で実践!英検3級に合格するための自宅学習サポート術
お子さまの英検学習を家庭でサポートする方法をご紹介します。まず、英検3級の問題やレベルを確認するには、過去問を解いてみることが一番です。英検ウェブサイトでは、直近3回分の過去問が公開されています。これらを活用して、お子さまの現在の実力を把握しましょう。
過去問を解く際には、必ず時間を計って実践的な演習を行いましょう。特にリーディングパートでは時間配分が重要です。また、間違えた問題は単に答えを確認するだけでなく、なぜ間違えたのかを一緒に考え、関連する知識を補強することが大切です。
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『英検公式HP』
英検3級対策のおすすめ教材として、総合対策には『英検3級 総合対策教本』、過去問演習には『英検3級 過去6回全問題集』、単語学習には『英検3級 でる順パス単』などがあります。また、日本英語検定協会公式サイトやYouTubeの英語学習チャンネルなど、無料のオンライン教材も活用できます。
【おすすめの教材】
・『英検3級 総合対策教本』
・『英検3級 過去6回全問題集』
・『英検3級 でる順パス単』
合格後の道筋と準2級へのステップアップ
英検3級合格後の学習計画|準2級合格への具体的なロードマップ
英検3級に合格したら、そこで満足せず、次の目標として準2級を視野に入れましょう。しかし、3級から準2級へのステップアップには大きな壁があるため、計画的な準備が必要です。
まず、英検3級合格後は1~2ヶ月ほど「復習期間」を設けることをおすすめします。3級で学んだ内容をしっかり定着させ、基礎力を確実なものにします。その後、準2級対策として必要な単語数の増強(約1,500語の追加)に取り組みましょう。1日10~15単語のペースで継続的に学習することが効果的です。
文法面では、中学英語から高校英語へのギャップを埋める必要があります。特に、不定詞・分詞・動名詞の複雑な用法、関係代名詞・関係副詞、仮定法などの新しい文法項目を重点的に学習します。英文法の参考書や問題集を活用し、段階的に理解を深めていきましょう。
リーディングとリスニングに関しては、徐々に長文や会話の長さ・難易度を上げていくことが大切です。準2級レベルの過去問や問題集に少しずつ挑戦し、慣れていくことをおすすめします。ライティングは文字数が大幅に増えるため(80~100語)、より論理的な文章構成を意識した練習が必要です。
目安としては、3級合格から半年〜1年かけて準2級に挑戦するのが現実的なスケジュールです。焦らず、着実に英語力を向上させていきましょう。
英検3級で身につく英語力と将来的なメリット|進学や就職にどう活かせるか
英検3級で証明される英語力は、単なる試験合格以上の価値があります。この級で身につくのは、日常的な場面で必要な基礎的英語力です。具体的には、簡単な会話や文章を理解し、自分の考えを基本的な英語で表現できるレベルとなります。
この英語力は、高校入試において大きなアドバンテージとなります。多くの私立高校では、英検3級以上の取得者に対して入試の加点や優遇措置を設けています。また、公立高校でも内申点に反映される場合があります。さらに、一部の高校では、英検3級以上の取得者が英語の入試を免除されることもあります。
長期的な視点では、英検3級は更なる英語学習のための重要な土台となります。大学入試では英検準2級以上が求められることが多いですが、3級で基礎をしっかり固めていれば、スムーズにステップアップすることができます。
将来の就職においても、英語資格は重要な武器となります。グローバル化が進む現代社会では、基礎的な英語コミュニケーション能力は多くの企業で必須スキルになりつつあります。英検3級はその第一歩であり、継続的な英語学習のモチベーションを高める意味でも大きな価値があります。
このように、英検3級は単なる「通過点」ではなく、将来にわたって価値ある英語力の証明と位置づけることができます。
申し込み方法と受験料
受験資格と申し込み方法
英検3級には年齢制限はなく、誰でも受験可能です。一般的には中学1年生から中学3年生が多く受験しますが、英語学習に早くから取り組んでいる場合は、それより早い段階でも挑戦できます。
検定料は2024年度から6,900円です。試験時間は一次試験が約90分、二次試験が約5分です。申し込みはインターネット、コンビニ、団体申し込みの3つの方法があります。
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英検3級合格に向けた総合的なアドバイス
英検3級合格への道のり〜子どもの英語力を着実に伸ばすために
英検3級は中学3年生レベルの英語力を証明する資格であり、約2100〜2500語の語彙力と基本的な文法知識が求められます。一次試験の合格点はCSEスコアで1,103点(全体の約6.5割)で、合格率は50〜55%程度と英検4級に比べ難易度が大幅に上がっています。二次試験の合格点はCSEスコアで353点(全体の約6.5割)で、合格率は90%程度と比較的高いレベルにあります。
効果的な勉強法としては、まず単語力を強化し、基本文法を確実に理解した上で、過去問を活用した実践的な演習を行うことが重要です。特にリーディングパートでは時間配分を意識した練習が必要です。家庭でのサポートとしては、過去問を活用した定期的な演習と、日常的に英語に触れる環境作りが効果的です。
最後に、英検3級への挑戦は、お子さまの英語学習における重要なマイルストーンです。必要以上にプレッシャーをかけず、お子さまのペースに合わせた学習計画を立て、着実に力をつけていくことが大切です。合格という結果だけでなく、学習の過程で身につけた知識や学習習慣こそが、将来の英語力の基盤となることを忘れないでください。
お子さまの英検3級合格を目指して、この記事で紹介した情報やアドバイスを参考に、楽しみながら効果的に学習を進めていただければ幸いです。
英検3級頻出単語ワークシート
スカイトーク英検では、英検3級に頻繁に出題される単語のワークシートを塾生に配布しております。こちらの記事でも一部配布いたしますので、ダウンロードの上ご活用くださいませ。
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『英検3級頻出単語』練習HP
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『スカイトーク英検』のHP
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